NPO法人福祉住環境ネットワークこうち(愛称:ふくねこ)の日々の活動をお伝えしていきます。皆さん、応援してね!(^^)
2006年3月聴覚障害と住環境を考える
2007年11月26日 (月) | 編集 |
tokusima23月19日、徳島のNPO法人阿波グローカルネット主催のタウンミーティング「聴覚障害と住環境を考える」に、メンバー数名で参加してきました。講演してくださった第一福祉大助教授の山口利勝先生は中途失聴者であり、現在も補聴器をつけての聴こえが6割程度と言われていました。20代前後から軽い難聴がはじまり、年々症状が進行していった過程では、自殺を考えるほど一人で苦しみ、”ごまかし、逃げる”人生だったと、体験を話してくださいました。
 
いただいたレジュメにも、聴覚障害者についての詳しいデータがびっしりと書かれています。
聴覚障害にも、
難聴者:医学的に難聴と診断され、補聴器などを活用して声による会話を行っている人
ろう者:声に頼らない手話コミュニケーションを重視する聴覚障害者で、典型的には聾学校卒業生を指す。
中途失聴者:人生の途中から聴覚障害を負った人
 
など、障害内容が分かれていて、さらに難聴にも軽度・中等度・高度・重度と程度に分類があり、障害認定を受けられる高度以上の難聴者よりもある程度の会話は聞き取れるが、8割聞き取れても2割は聞き取れないというような軽度の方が圧倒的に多い事も分かりました。
 
軽度の場合、1対1では聞き取れても複数での会話になると聞き取れなかったり聞き間違いがあったり、相手の気持ちがうまく理解できなかったりと、一見、他者から見れば障害が分かりにくいだけに、理解されず苦しんでいる方も多いというお話を聞きました。
 
山口先生のお話は終始、聴覚障害がいかに社会の理解がなく、苦しんでいる人も多い、大変な問題を抱えている障害であるか、といった話であったように感じました。
 
その時点では、もちろんそれは事実だとしても、それを自分からの努力や工夫で、障害があってもいい人間関係が築けている、自分らしく生きている人の例も話していただかないと、聞く人の心にマイナス要因ばかりが印象付けられてしまうのではないか、聴覚障害をお持ちの方が聞いたら、ますます悲観的に捉えてしまうのではないかと、心配になりました。
 
ただ、改めて大切な視点に気付かされた事がありました。
もしも身近に障害を理解されず社会参加出来ずに悩んでいる人がいたら、私はきっと、周囲に努力してもらうことも必要だけど、自分から自分の障害について発信していくことも必要だと、話しかけると思います。
 
それは実際に必要なことなのですが、その前にワンステップ重要な手順が抜け落ちていては、返って傷を深めてしまう可能性もあるということです。他者に障害の理解を求める以前に、自分でも”他者から見えない障害である
ことが理解できていない人も多い”ということ、”自分の聴こえ方が、どんな状態であるのか説明できない人も多い”ということをお聞きして、なるほどと考えさせられました。
まずは自分の障害がどういうものなのか、障害の構造を分析し理解することが障害の受容につながり、他者と関わるときに困難だと感じても、それは自分が悪いのではない、恥ずかしいことではない、人に配慮を求めればいいのだと考えられるように努力する、または関わる専門職などが導いていくことが大切なのだとお聞きしました。
そのために自分の状況を説明できる力や強さを見に付けていくことが必要であることは、他の障害でも言える事で、そうした心のバリアを取り除くために、健聴者や社会にも理解を求めていきたいと、強く訴えていた山口先生の思いも最後までお話を伺って理解できました。
 
山口先生が紹介されていた中に、「耳の障害は、人と人との関係をうばう障害である」というヘレン・ケラーの言葉がありました。
 
今回は「聴覚障害と住環境」というテーマでしたが、何がバリアで改善しなければいけない点かというところは、ハードではなく、コミュニケーションがうまく取れないことによって起こる問題や精神的ストレスが大きなウェイトを占めているという事の深刻さを改めて考えさせられましたし、これから住環境整備の現場に関わる中でも、そうした視点を生かしていきたいと感じました。
 
参考に、山口利勝先生の著書をご紹介します。
「中途失聴者と難聴者の世界 -見かけは健常者、気付かれない障害者-」
 
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主催の阿波グローカルネット考案の、難聴者のためのコミュニケーションボード(筆談ボード)「COBO」と、NTT発行の「電話お願い手帳」の画像を掲載します。
 
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